元彼・元カノを忘れられない、という方はぜひ、ハニホーの診断「元カレ(元彼)元カノへの自分の気持ち診断」も参考にしてみてください。自分の気持ちがどういう構成になっているのか、整理できるかもしれません。
ところで、元彼や元カノを忘れられないとき、自分が元彼や元カノをまだ好きなのかどうか、よく分からなくなる人もいることでしょう。はっきりと「まだ好きだ」と言える人もいるでしょうが、ごちゃごちゃしてきて気持ちが分かりづらくなりがちです。「忘れられない」にもいろいろありますから、ここでは、その「忘れられない」の心理に迫りたいと思います。
「未練」という言葉よりも、より「執着」という言葉のほうが強いこだわりが感じられるかと思います。未練も執着も、心残りがあって気になってしまう様子を表していますが、執着のほうには「しがみつき」「こびりつき」のニュアンスがあることでしょう。なんでそこまで強く思ってしまうのでしょうか。
おおまかに言うと、「好き」「大切」といったポジティブな心と、「自由や回復を許せない」「捨てられたくない」「切られたくない」「傷つけたい」といったネガティブな心が、内側にうごめいています。こだわりの中でも、そのネガティブな心が強まっていると「執着」の様相を呈してくるのです。
我々はシンプルに、「心にインパクトがあったこと」をよく覚えています。例えば中学時代、隣の学校のワルにお金を巻き上げられたときのイメージは、60歳になっても忘れないことでしょう。特に傷ついたことは、とても頭に残ります。
また我々は、自分の存在を小さく(下に)扱われることにとても傷つきますし、怒りが湧いてきたりもします。自分の彼氏が楽しそうに生きていて、こちらを全然気にせずに他の女に乗り換えて、自分ばかりが一生懸命に悩んでいたら、とてもつらいのです。自分ばかり考えていること、自分の存在が相手にとって小さいこと、に深く傷つきます。
そうなると、相手のことが頭から離れなくなりますし、なんとか相手にとって大きい存在になりたい、とも思いやすいのです。自分を小さく扱われたままコケにされるのが許せなくなります。例えば、相手がもう連絡してこないでくれと言っているのに、「ただ謝りたいと言っているだけなのに無視するような人なんですね」などと言いがかりをつけてまで、接点を持とうとします。相手にとって大きな存在になりたいと願いますし(影響を与えたがりますし)、すんなり相手にとって小さい存在になっていくことが、どうにもこうにも受け入れられないのです。
この「傷ついたインパクト」「小さく(下に)扱われたくない」が、執着心のメインになっているのです。
我々は、未来に希望を抱けなかったり、自信を失っているときほど、過去を思い出します。例えばここのところ連続で遊ばれ続けて、やっと付き合えたと思っても二か月で別れてしまった、というときに「過去にちゃんと好きになってくれた元彼」を思い出したりします。または、今後彼氏ができる気がしない、仕事もつまらない、一人で生きていく自信がない、というときに「楽しく生き生きとしていたころの元彼」を思い出したりします。言ってみれば、これから自己最高得点を叩き出す自信や希望がないときに、過去の最高得点を思い出してしまうのです。
過去の大恋愛や泥沼の出来事があって、そのインパクトが強烈だから未来に目を向けることができない、ということもあります。でも、未来に何も希望や自信がないから、過去を見てしまう、ということもあるのです。
例えば頭がおかしくなるほど好きになった元彼がいたとして、そのスコアを100とします。時間とともに95、90、と薄れても、その後、せいぜい50の人しか現れないとなると、やはり長いこと元彼を思い出してしまうでしょう。元彼のインパクトがとても強いからです。
例えばかつてメールのやりとりをして、一度だけ「好き」と言われたことがあった。そのスコアを20とします。でも、もう恋愛が発生する気がしない、人生も楽しくない、未来が0しかない、となったらどうでしょうか。その「20」の出来事すら、忘れられずに残るでしょう。これは、過去が強いというより、未来が弱いのです。
過去が強いのか、未来が弱いのか、いろんな形がありますが、とにかく「過去の思い出スコア」ほうが「未来の希望スコア」よりも上回っていると、過去に頭がいきやすいのです。
もちろん、単純に今もその人が好き(主に恋)、大切(主に愛)、ということもあるでしょう。それが「忘れられない」の成分として含まれている人も、もちろんいます。
忘れられない人、忘れられない恋。どういう思いが混ざっているのか分かってきたのではないでしょうか。
この「忘れられない」の中に「好き」「大切」「思い出が強い」「未来の希望や自信がない」「小さく扱われたくない」「傷がまだ痛い」がどのように混ざり合っているでしょうか。そして、その全体量は、どれくらいのサイズでしょうか。
ネガティブの成分比率が大きいと、どろどろした、粘着性の、執着心になるでしょう。ポジティブの成分比率が大きいと、粘着性のないすっきりとした相手を思う気持ちになるでしょう。
そして、どういう成分比率であれ、思いの全体量が大きいほどに、その「忘れられない」が強いものになるでしょう。
実は、忘れたいと思えば思うほど、忘れられません。心の中では「忘れよう」と思うこと自体が思い出すことと同じですし、骨折した箇所に何度も触って、治るのを遅らせているようなものなのです。
忘れられない、というのは心の自然物です。自然に発生する心は、もうどうしようもありません。自分から思い出そうとしているのではなく、思い出してしまうのなら、もうそれは仕方がないものだと考えましょう。無理に忘れようとする必要はないですし、思い出しながら、心をぐるぐるひっかきまわしながら、のたうちまわって消化している最中でもあるのです。思い出してしまうのは苦しくても、発熱して病気を治すように、それが必要でもあるのです。
忘れられないのは仕方がないとして、できることと言えば、一つは「時間の経過にまかせること」と、もう一つは「自分の人生を大事にすること」です。最初はうだうだと落ち込むしかなくても、趣味や仕事、勉強、自分を魅力的にすることなど、自分一人でちゃんと生きていこうとすることが、少しずつ過去を癒していきます。「忘れられない」という自然物は直接どうこうはできませんが、自分の人生をちゃんと生きることで「結果として」薄めていくことはできるのです。
当たり前だ!忘れたくても忘れられないからここを読んでいるんだろ!と腹立たしく思ったなら、すみません。でも、忘れられない、元彼や元カノにこだわってしまう、という状態でいたほうが(苦しいけど)都合が良い人もいるのです。
自分一人で生きていくこと、自分の人生を創ること。それが恐ろしいし自信がないから、元彼や元カノに振られた痛みを忘れたくない、その出来事にこだわっていたい、という人もいます。前を向くということを本当に心から恐れている人は、過去のせいにして、過去にしがみついて、未来を恐れる自分の心に気付かないようにしているということもあるのです。「前を向く」「未来に向けて努力する」という大きな恐怖を避け、「過去に囚われる」という苦労を背負いたがる人が、たまにいます。
もしかしたら、「忘れられない」を都合よく利用して、前に踏み出したくないだけなのかもしれない。そういう可能性も、自分の心に聞いて、探ってみてくださいね。
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